Alpine Gardening

アルパイン・ガーデニング入門

ステップ3・用土と植え方

 

  • ケシ属やタツタソウなどは植え替えを嫌う植物として知られています。これらの植物は一度根の土を落としてしまうと、根が元のように土を抱き込むのが困難で、枯れる原因になります。
  • どうしても植え替えが必要な時は、根が抱いている土を落とさないように注意して実行します。
  • 多くの植物は春が植え替えの適期です。ナデシコの仲間のように適期以外には植え替えを嫌う植物も少なからずあります。
 

  用土

 マニュアル本では鹿沼土を使った植え方が多く紹介されています。広く販売され知名度も高いので、鹿沼土が頻繁に登場するのですが、ちなみに北海道では、鹿沼土は冬期の凍結で崩れて泥化するので、ほとんど使い道がありません。北海道では支笏カルデラの火山礫で、千歳付近の軽石砂や、日高砂(蝦夷砂)などの理想的な用土が販売されていて容易に入手できます。それなのに鹿沼土を使って大事な植物を枯らすビギナーもいます。

 マニュアルを書いている人たちは、ほとんどが関東地方の人たちで、関東標準で書かれています。日本は火山国なので、それぞれの地方に安価で理想的な用土があるはずです。

 ロックガーデンやアルパインローンでは、鉢植えの用土よりも硬質の用土でPHが中性に近いものを選ぶと、長年の使用に耐えます。

  植え方

 鉢植えの場合は、マニュアル本を参考にしますが、高山性の植物は地上部に比較して根部が長大になるのが普通です。自生地ではコマクサやエゾオヤマノエンドウなどの草丈は10cm以下ですが、根は1mほども深く伸びています。鉢で栽培する場合は、なるべく
大きな深い鉢を使いたいものです。根詰まりは生育不良や根腐れの原因になります。

 鉢選びのポイントは口径よりも深さです。

 植物によっては、植え替えを嫌う植物があります。植物を購入の際には、植え替えの注意事項についても質問して下さい。なお、植え替えのときに根を切りつめることが可能な植物もありますが、種類と時期が限られます。初心者はできるだけ根を大事にして扱うほうが無難です。
 

更新 15/09/16