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Campanulaceae
 キキョウ科


 
Campanula chamissonis cv.
シコタンギキョウ

 昭和7年、東京山草会の及部辰之助氏は、色丹島のチシマギキョウの変異タイプを複数入手し、翌年、小石川植物園の山草展示会に出品した。その一つが「オヨベギキョウ」で、このときに園芸名がつけられ、鈴木吉五郎氏が営む横浜の春及園から売り出された。シコタンギキョウも色丹産の及部コレクションの一つ。花付きが良く、底白の優雅な花が豪華に咲いてくれる。
 ネット情報は玉石混交で、孫引きや誤りも多い。「シャコタンギキョウ」北海道積丹半島産のチシマギキョウの選抜個体などと驚くような記述もある。積丹の山にチシマギキョウは分布しない。

  Campanula chamissonis albiflora
白花チシマギキョウ
 アルムで栽培しているのは、戦前から保存された優良な個体。白花個体は、自生地でも稀に見つかるし、チシマギキョウの実生からも出現する。普通、白花は性質が弱く、栽培は難しいのだが、この個体は例外的に強健。写真は9cmポット植えで、ポットは花と葉に隠れている。
 今となってはルーツ不明だが、これも千島産の可能性が高い。
 
Campanula uemulae
Campanula chamissonis cv.
小樽山草会保存オヨベギキョウ

 通称「大輪オヨベギキョウ」。及部コレクションの千島産チシマギキョウの一タイプとして、小樽山草会の阿保精一氏、奈良富一氏によって戦後も保存さ れていた。花冠が大きく開く大輪で、肥培が十分であれば花付き良い。

  Campanula uemulae
ホロトソウ
 樺太・幌登山と樫保岳の特産種で、戦前から栽培されていたものが、熱心な栽培家によって戦後も保存されてきた。現在は豊富に生産されているが、30年前は超稀品で、非常に高価な植物だった。
 
Campanula rotundifofolia v.arctica
川島山産ホソバイワギキョウ

 周極地方などに分布するイトシャジンの矮性な変種で樺太の北緯50度付近にも分布する。これは戦前から保存の超矮性個体とは別に、95年樺太の川島山で採取された標準タイプ。

  Campanula rotundifofolia v.arctica
矮性ホソバイワギキョウ

 やはり川島山産だが、昭和19年に佐藤吉郎氏(旭川)が樺太より持ち帰った超矮性変異タイプ。高さ5cmほどで茎は立ち上がらない。この個体は何故か不稔性。
 
Campanula rotundifofolia v.arctica ex Olympic Mts.
ホソバイワギキョウ「オリンピック山脈フォーム」

 周極分布種で分布域も広いため、各地からいろいろなタイプが見出されて栽培されている。グリーンランド産の系統が特に矮性とされているが、入手は不可能。写真はワシントン州オリンピック山脈産の矮性個体で、花形も良い。
  Campanula rotundifofolia 'Alba' ex Olympic Mts.
白花イトシャジン「オリンピック山脈フォーム」

 ホソバイワギキョウの母種・ロタンディフォリアは、シャジン(ツリカネニンジン属)の仲間ではないのだが、園芸和名はイトシャジンと付けられて定着してしまった。欧州北部から北米まで分布し、草丈や花形、花の大きさは、産地によって変異の幅がある。

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