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Geraniaceae
 フウロソウ科


 フウロソウ科を代表するフウロソウ属(ゲラニューム属)は世界に約300種もある大属ですが、低地に分布する大型種が多く、高山に分布する種でも、その自生地は主に雪崩草原・高茎草原で、大半の種はかなり大きく育ちます。
 ロッケリーやアルパインローン、鉢植えには、風衝地などにも自生する小型の種類が適するのですが、その数は非常に限られています。南米アンデスに分布するAndinaセクションのゲラニュームは、矮性で魅力的な種類が多いのですが、残念ながら栽培が難しく、世界的にも普及していません。
Geranium eriostemon ssp. erianthum 白花チシマフウロ
 
Geranium eriostemon ssp. erianthum 'Rebun White' 礼文産白花チシマフウロ
Geranium eriostemon ssp. erianthum
白花チシマフウロ
 北海道の高山に多いチシマフウロは、基本種は紅藤色。花色が淡いトカチフウロも大雪山等では珍しくないが、純白の個体は非常に珍しい。鉢で栽培できるが、根の量が多いので露地植えが理想的。
  Geranium eriostemon ssp. erianthum 'Rebun White'
礼文産白花チシマフウロ
 写真では比較ができないが、礼文産の白花個体は他の産地のものよりも一回り小型で、鉢栽培には好適。花の形も丸みがあって好ましいが、実生では白花の出現率が低く、株分け繁殖主体なので普及はしていない。性質は強健。
Geranium soboliferm アサマフウロ
 
Geranium gymnocaulon
Geranium soboliferm
アサマフウロ
 福島県以南の本州中部地方、朝鮮、満州にも分布する種で、やや大型だが、他のフウロソウが咲き終えた夏から秋に、濃紅紫色の花をたくさん咲かせてくれる。露地植え向きだが、強健なので、大鉢使用なら鉢栽培でも楽しめる。
  Geranium gymnocaulon
:ゲラニューム・ギムノカウロン

 フウロソウ属には青から青紫の花を咲かせる種類も少なくないが、高性種が殆どで、鉢でも栽培可能な小型種は少ない。この種は中部コーカサスに分布し、丈15cmほどで、鉢植え可能な矮性種だが、欧米でも普及はしていない。1996年エルブース山3000mで採種された種子からの実生株。
Geranium darmaticum
 
Geranium cinereum 'Holden Variety'
Geranium darmaticum
:ゲラニューム・ダルマチクム

 旧ユーゴからアルバニアに分布する種で、高山性小型種としては、栽培も比較的に容易で鉢植えに絶好。丈10cm程度で、他に類の無いクリアピンクの花色が美しい。英国では、この種を使った交配種も誕生している。
  Geranium cinereum 'Holden Variety'
ゲラニューム・キネレウム「ホールデンバライティー」
 ピレネーに分布するキネレウムの選抜個体で、英国のホールデンクロフ・ナーセリーのオリジナル。
Geranium 'Ballerina'
 
Erodium × kolbianum 'Natasha'
 Geranium'Ballerina'
ゲラニューム「バレリナ」
 ピレネーの母種キネレウムとバルカン産亜種スブコウレスケンスとの交配品種。 
  Erodium × kolbianum 'Natasha'
エロディウム・コルビアナム「ナターシャ」
 エロディウム(オランダフウロ)属には小型種が多いものの、コンパクトに纏まって、鉢でも作り易い種類は意外に少ない。この品種は、とにかく多花性で花期が長く、鉢でも作り易い。E. petraeumの交配種。

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