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Ranunculaceae
 キンポウゲ科


 カラマツソウ属は北半球の温帯に200〜250種があり、日本にも15種ほどが分布している。キンポウゲ科の植物は多くが虫媒花で、昆虫を誘引するために、美しい花弁や、花弁のように発達した萼片を持つ種類が多いのだが、カラマツソウ属は風媒花の方向に分化した異端派で、雄しべの花糸だけの地味な花が多い。それでも完全な風媒花は少ないとされ、花弁状萼片を残す美しい種類や、矮性のものなどが園芸対象種として栽培されている。
 
Thalictrum integrilobum hyb. 'Yae Yugiri'
ナガバカラマツ「八重夕霧」
 赤葉ナガバカラマツ(アポイ岳特産のナガバカラマツ実生苗からアルムで選抜した個体)を使って育種したアルムのオリジナル八重咲き品種。

  Thalictrum integrilobum hyb. 'Yae Yugiri'
ナガバカラマツ「八重夕霧」

 基本のナガバカラマツは花弁を欠く白いシベ花だが、この品種は萼が花弁化した八重咲きで、茎葉や花弁には赤色が潤み、花弁は咲き終わりまで残る。
Thalictrum filamentosum v. tenerum
 
Thalictrum filamentosum v. tenerum
エゾミヤマカラマツ

 北海道産。胆振地方に産する小型のタイプで丈15cm、ミヤマカラマツよりも小型。写真は3.5号鉢に植えたもの。日本的な味わいの佳草。
  Thalictrum sp. cv
斑入紅花ミヤマカラマツ

 古くからこの名で栽培されているが、標準的なミヤマカラマツとは形態が異なる。多花性で花糸はピンク、葉の中心に線状の斑が入り、観賞価値が高い。ランナー芽が良く出て、容易に株立ちになり、春から秋口まで咲き続ける。交配種である可能性が高いが、「山野草早わかり百科」(1995主婦と生活社刊)にはミヤマカラマツとして写真入で掲載されている。

Thalictrum dipterocarpum
 
Thalictrum dipterocarpum album
Thalictrum dipterocarpum
タリクトルム・ディプテロカルプム

 中国雲南省・四川省・チベットに分布。丈50cmを越す大型種だが姿は繊細。花弁は桃紫色で多花性。
  Thalictrum dipterocarpum album
タリクトルム・ディプテロカルプム・アルブム

 アルムで実生選抜した純白花の個体。流通品の大半はドイツで選抜されたもので基本種より花が貧弱。この白花は通常の大きさ。
Thalictrum diffusiflorum
 
Thalictrum diffusiflorum
タリクトルム・ディフジフロールム (フジイロカラマツ)
 中国(南東チベット)に分布。丈50cmほどの大型種だが、葉は小さく繊細。花弁を有するカラマツソウではもっとも美しい花を咲かせる種として知られているが、栽培株が少なく、増殖も困難なため、流通することは稀。
  Thalictrum rubescens
ナンコカラマツ
 台湾・南湖大山原産の非常に小型の種類で、葉も小さく繊細。丈5〜8cm。その割りに花は大きく、ピンク色が滲んだ花弁は開花後も暫く残る。アルムでは、何故か種子繁殖困難で、株分けで増殖している。

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