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プリムラ属は少なくても430種以上、分類によっては500種近くにもなるが、南米最南端に分布するプリムラ・マゲルラニカ(P.
magellanica)を除くと全て北半球に分布し、その80%がアジアに自生している。特にヒマラヤ〜中国の雲南、四川、青海省、ビルマ北部に跨る山岳地帯
(植物地理学で言うシノヒマラヤ) には属全体の50%が分布するとされているが、この地域に産するプリムラは栽培が難しい種も多く、日本で栽培されている種類は数えるほどしか無い。 |
Primula viali プリムラ・ビアリイ 中国四川省、雲南省の湿った高山草地に分布するムスカリオイデス節の風変わりな種類。苞と萼が赤いので咲き始めの姿が面白い。大型種なので、露地植えでは根出葉が長さ30cm、花茎は50pを越すが、鉢植えでも何とか栽培できる。花期は遅く、北海道では7月上旬。 |
Primula
watsonii プリムラ・ワトソニイ 中国四川省、大雪山脈4200mで採集種子の実生。柔毛の多いロゼットから、初夏に20cmほどの花茎を伸ばして、下垂する花を咲かせる。花色は個体差があり、濃青〜藍紫色。花期は、北海道で6月上旬。ムスカリオイデス節。 |
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Primula
capitata ssp. mooreana プリムラ・カピタタ・モーレアナ 母種カピタタは雲南省から、チベット、ネパールに分布。亜種モーレアナはシッキムに産し、葉の白粉が少ない。花茎は30cmを越すが、咲き始めは10cm程度。花期は遅く、秋に咲くこともある。 |
Primula capitatassp.
mooreana プリムラ・カピタタ・モーレアナ モンスーン(雨期)の頃に開花するヒマラヤのプリムラには、花が平開せず鐘形や漏斗形で下向きに咲く種類が多い。進化の過程で、雨から花粉を護るために気候に適応した花序になったとされている。 |
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Primula alpicola var. violacea プリムラ・アルピコラ・ビオラケア チベット〜ブータン産。丈20cm、シツキメンシス節では小形の種類。香りが良い種類として知られる。これも花期は遅く、他のサクラソウが花を終えた初夏に下向きの花を咲かせてくれる。 |
Primula
alpicola 'Luna' プリムラ・アルピコラ「ルナ」 花色は黄色、バイオレット、白と、自生地でも花色に変異の幅があり、園芸的には「ビオラケア」「ルナ」「アルバ」と品種分けしているが、色味は個体差がある。 |
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Primula
flaccida プリムラ・フラッキダ 中国・雲南〜四川省産。ソルタネロイデス節の美しい種類。冷涼な英国では、自生地を模して矮性のシャクナゲ類の木陰などに露地植えされるが、日本では鉢植えでケアするのが無難。花は典型的な下垂する漏斗形。 |
Primula denticulata
'Rubin' プリムラ・デンティクラータ「ルビン」 デンティクラータは、ヒマラヤ産プリムラの中では例外的な強健種で、北国では庭植えの放任栽培でも良く育ち、古くからタマザキサクラソウの名で親しまれてきた。大型種だが咲き始めは小型で可愛らしい。「ルビン」は赤い花の選抜品種で、基本種の花色はピンク。 |
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