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Campanula zoysii   

Campanula zoysii

カンパヌラ・ゾイシイ (キキョウ科ホタルブクロ属)

 カンパヌラ属(ホタルブクロ属)は世界に300〜500種。高山性の魅力的な姿の矮性種も多く、アルパインガーデニングには欠かせない植物だが、高温多湿に弱いものがほとんどで、日本ではごく限られた種類しか栽培されていない。

 根茎の先から茎を出してマット状に広がるタイプの種類は比較的に作りやすく、ある程度のケアだけで育ってくれるが、主根が一本で、挿し芽などの栄養繁殖ができない種類は、実生だけが繁殖手段。そんな種類ほど性質がデリケートなので、開花させるまでは大変な手間を必要とする。。

  写真のカンパヌラ・ゾイシイも、そんな種類の筆頭。欧州アルプスの南東部。北イタリアからオーストリア、スロベニアに続くジュリアン・アルプス山脈の石灰岩地に自生する希少種。丈5〜8cmと小さく、花の形も個性的で人気があるが、栽培は難しい。写真の個体は、スロベニア・アルプス で採集された種子からの実生育成株。

  属名のCampanulaは、ラテン語のcampana『小さいベル(鐘)little bell、ベル形のbell shaped』に由来し、どの種もベル形か吊鐘形の花を咲かせるのだが、この種の花は、かなり植物に詳しい人でも、一見しただけでは属の見当もつかないと思われる。

  英国のアルパインガーデナーは、早くからこの種に関心を持ち、古い時代の園芸書にも種の説明だけは記載されている。
今はネット検索で多くの画像が見られるが、栽培された個体の写真は今も数少ない。

 英国の山草会が近年に出した本でも、「栽培は難しく、短命。死に花を咲かせる」とあり、画像はないが「ソーダーボトル(昔のラムネ瓶)に似た形の花」と説明がある。確かに言葉では説明が難しい花の形で、長い筒状の先が絞られて、先端が星形に閉じている。虫媒花なのだが、どんな虫が、この「口を閉じた花」の受粉を助けているのだろう。

  北海道でも成長期の栽培に雨除けは必須。耐寒性は強いものの、露地栽培では、酸性の雪が解け出す春先の過湿も、石灰岩地の植物には好ましくない。開花までは何度か成功したが、世代更新はこれからの課題。



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