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オキザリス・ラキニアタ 交配種 Oxalis laciniata hybrid

Oxalis laciniata hybrid
オキザリス・ラキニアタ 交配種 (カタバミ科カタバミ属)


  世界に広く分布し、その種数は800種にも及ぶというオキザリス(カタバミ)属。形態や性質は、一年性や多年性、30cmを越す草本、灌木状の種まであり、実に多種多様だが、小型で耐寒性があり、なおかつ草姿と花容が魅力的な種類となると極めて限られてくる。

  その中でも特に魅力的な種類として注目されるのが、南米最南端パタゴニア地方を中心に分布する幾つかのオキザリスだ。風の国といわれるパタゴニアには固いドーム状やクッション状に生育する風衝植物が多く、多肉植物を想わせる変わった姿のロゼット・ビオラなど、意表を突く形態の植物が多い。

  その一つオキザリス・ラキニアタは、1984年の冬にスコットランドの植物園から苗を輸入して実物を見ることができた。今のように容易に情報や写真を得られる時代ではなかったから、簡単な説明しか書かれていない植物リストから「パタゴニア産で小型種」という説明だけで、オキザリス・エンネアフィラと共に選んだ種類だった。

  春、順調に芽出しして、葉が伸び始めたものの、葉は小さく縮こまったような姿のままで、一向に展開しない。まるで叩かれたような姿の植物だった。種小名laciniataは葉が「細かく分裂した」の意味。太古の昔から冷たく乾いた風に叩かれ続けて、このような姿を獲得したのだろう。

  試行錯誤で栽培したが、ラキニアタは難物の部類だった。枯らしては再挑戦し、苗の輸入はその後10年間で5回。夏から秋の長雨を避けることで栽培できるようになったが、ある冬、カタバミの天敵・ノネズミに食害されて原種のラキニアタは絶えてしまった。

  写真はアルムで誕生したオキザリス・ラキニアタとオキザリス・エンネアフィラとの交配種。葉は原種のラキニアタより少し大きいが「叩かれたような姿」の葉の縮れはそっくりだ。複数の兄弟株の中で、この個体は最も花色が淡いが、最も縮れた葉を持つ。生育は旺盛で、次々に蕾を出し、長く咲き続ける。

 



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